個展「コズミック・ダンス」プレスリリース掲載テキスト

個展「コズミック・ダンス」プレスリリース掲載テキスト

P_STATEMENT 2015

私の前に壁となって立ち上がる世界に絶対的なものはなく、
自らの立ち位置を不安定にさせます。
遠くを見ようと思って視線を送っても、うまく私の視線は
前に進んでいかない。何かが邪魔をするのです。
しかしだからといって物事を懐疑的に捉えるのではなく、
多視点的で不安定な空間に身を委ね、
多方向からの光をさんさんと浴びたいのです。
それは、空間に自らを溶け込ませ空間と一体的になりたい
という願望でもあります。

今回の個展のメインモチーフは海やサーフガールですが、
それらは私にとってミケランジェロの
ダヴィデ像のようなものです。
山育ちの私にとって海は異質な存在です。
異質なものが自分のテリトリーに入ってくると心はざわつきます。
異質なものは既存のものと合わずゆがみを生じさせます。
しかしそこに思わぬ必然性や合点を見出すことができます。
それはうまく言葉では説明できなくて感覚で捉えるしかありません。
でも今、この感覚こそが信じられるものでないかと感じています。

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